表紙絵でハーレム的展開を予想して、その通りだった件──『ブック×マーク!』

ブック×マーク! (ガガガ文庫)

ブック×マーク! (ガガガ文庫)


『ブック×マーク!』(ガガガ文庫
表紙絵を見ると、図書室の受付カウンターとおぼしき場所に、女の子が四人。
そうか、この女の子たちが主役なんだな! 女の子同士でキャッキャウフフなんだな!?
と思って買いました。はい。まさか+男主人公だとは思いませんでした。この日記の表題は嘘ですごめんなさい


本を読む理由、というのは、人によっていろいろだろうと思います。
ただ『本の中には、別の世界が広がっているから』という理由を挙げる人は、少なからずいるんじゃないでしょうか。
自分の知らないこと知っていること知りたいこと知りたくないことが、本の中には広がっているのです。
で。
『ブック×マーク!』は、本当に本の中には別の世界『異界』が広がっているんだよ、というお話です。
書き手や読み手の思い入れが強い本の『異界』は、時として現実の世界に漏れ出してくるというのです。
……そんな都合の良い本があったら、二次元ドリーム文庫美少女文庫が本棚の1段を占めている椎出は、いまごろ! いまごろぉっ!(←泣くな)


……こほん。
女の子がぞろぞろ出てくるので、うひゃひゃひゃ、と思ったのですが、中盤過ぎまで、読むのが苦痛でした。
主人公が与えられた状況に対してネガティブなのは、舞台が図書館なのに主人公、本が大の苦手っていう設定上仕方ないと思うのですが、登場人物の中に、主人公の味方になってくれる人物が、一人もいないのですね。
表紙絵の女の子たちも、主人公を追い出そうといびります。いびり倒します。エロアクシデントも無しです。いや、一件あったか。
味方がいないのです。
まあ、その分、ラストで読者のフラストレーションは解消されますが、ホント、中盤半ばまでが大変です。中盤がいいっ、ていう人はマゾだと思います。ええ。


とりあえず、この本は、本棚に残しておこうと思います。
なぜ?
そりゃ、きまってます。
『ブック×マーク!』は、本当に本の中には別の世界『異界』が広がっているんだよ、というお話だからです。
もしかしたら、眼鏡でサド属性でデイトレーダーでけちんぼで守銭奴な図書委員が、椎出の部屋に出てくるかも知れないから本を残しておくに決まっているじゃないですかっ!