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せ〜が〜♪……『ベン・トー4 花火ちらし寿司305円』


1巻『サバの味噌煮290円』にて、スーパーの半額弁当を奪い合う戦いに身を投じた『狼』たちの物語という、尋常じゃなくおかしい世界観を打ち立てたこのシリーズも、はや4巻。
1巻で必要なレギュラーは一通り登場していたかと思ったが、2巻『ザンギ弁当295円』にて佐藤の従姉、著莪が登場することで人間関係に微妙なバランスが出てきて、面白いことになってきていた。それは3巻『国産うなぎ弁当300円』での主人公(一応)佐藤の戦いを通じて、読者にも明確に伝わってきたと思う。
そう、この物語は、面白いのである。
だが、その面白さをスポイルする、損なう要素があるとすれば、その一つが、主人公(のはず)佐藤の、セガに対する深すぎる愛情である。深すぎて、セガネタが、いちいちくどいのである。
もちろん、おいらだってセガがなければ死んじゃう、『No SEGA,no life』な人々が多いことは百も承知である。椎出がSFCの次に買ったゲーム機はセガサターンだし、その次に買ったのはドリームキャストだ。もちろんサクラ大戦シリーズをプレイするために買ったんだが。PS2(37000番台だ)だって、サクラ大戦5が出なければすでに廃棄していたかもしれない。
だが『ベン・トー』はあくまでスーパーの半額弁当が重要なのであって、ゲーム機はどうでもよろしい。どうでもいいはずである。
まあ、セガハードを救うべく寮の窓から飛び降りる佐藤の姿は微笑ましいのだが……本筋には関係ないはずだ。
本筋に関係ないのに滔々と愛を語られたりするので……読み飛ばしたくなる。そのあたりが『ベン・トー』の弱点の一つなのではないかと、思う。
繰り返しになるが、いちいちくどいんである。
しかし。
この4巻において、セガネタを読み飛ばすことは、お薦めしない。
なぜなら、セガに対してこうもこだわるようになった、佐藤とその従姉である著莪の過去は、セガに関わるエピソードを抜きにして語ることは出来なかったからである。

その時、著莪はまだダイナマイト刑事の途中だというのにSSの電源を切り、押し倒すようにして佐藤とベッドに横になった。なんてことするんだ! と、本気で佐藤が怒りかけていたが、気にしなかった。
あのゲーム、二人協力プレイで最終ステージまで行くと……ブサイクな大統領の娘の命令で最後はプレイヤー同士で戦わなければならないのだが、今の気持ちでは、どう佐藤と戦っていいのか、著莪にはわからなかった。そして何より、申し訳なくて、情けなくて、嬉しくて、少し泣きそうになっていたのを佐藤に見られたくなかったのだ。
(本文254頁13行〜255頁1行)

ここの表現にいたって、セガネタと佐藤及び著莪の自意識は深いところで結びつき、人格形成に大きな影響を及ぼしているのだということに、ようやくおいらは気が付いたのである。
つまり、佐藤や著莪のことを理解しようと思えば、セガネタにて語らねばならない部分が、必ずでてくるということである。
それに、従弟とはいえ男を押し倒すことは出来るのに、ダイナマイト刑事を続けることは出来ない著莪って、なんかかわいいじゃないか!
同じように、白粉を語ろうと思えば、彼女の性的嗜好と、自らに持っている異常な劣等感に触れないわけにはいかないし、槍水先輩のことを語ろうと思えば……半額弁当について触れないわけには、行かないのである。
つまりは。半額弁当についての物語である『ベン・トー』は、そのまま、槍水先輩の物語でもあるはずである。なぜHP同好会には彼女以外の先輩がいないのか……それが、もうじき、語られるはずだ。我々は、それを楽しみにすべきである。


まあ、それはともかく、先輩がニーソを脱ぐシーンが、やたらとエロい。佐藤! お前の想いは正しい! もっと凝視しろ!