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幼女祭りとかありえません。もっとやれ。――『つぐもも』2巻

読書

つぐもも 2 (アクションコミックス)

つぐもも 2 (アクションコミックス)


帯のつくも神・桐葉と、その持ち主で奴隷である一也の、物語。
なにやら桐葉と因縁があるらしい人物が出てきて、ってところで1巻は終わっていたわけだけど、その続きである。
さて、その謎の人物とは、地元の小さな神社の巫女・黒曜と、そこの祭神くくりであった。
くくりの名は正式には『白山妙理大権現 菊理媛大神(はくさんみょうりだいごんげん くくりひめのおおかみ)』。これはもう、どう見ても石川県白山市にある実在の神社、白山信仰『白山さん』の総本社、白山比咩(ひめ)神社の祭神、菊理媛神そのものである。
えらく大物を出してきたな、と思ったのだが……どうやらこの菊理媛神、石川県民の期待を裏切って、日本書紀には一行しか名前が出てこないらしい。ちょいと影の薄い神様である。まあ影は薄いが、イザナミとイザナギがヨモツヒラサカでドタバタしていたときに、仲裁をした神らしい。重要ではあるのだ。
仲裁、ってところからおわかりかも知れないが、菊理媛の『くくり』とは『括る』だそうである。よって菊理媛神は縁結びの神様とされたり、死者と生者を取り持つ巫女の神であったりするらしい。さらにはケガレを払う神格だったりと、大活躍である。御利益は大きいのだ。
つぐもも』作中では、かつて幼い一也のケガレを払い、その記憶を『括った』らしい。らしい、というのは、本編の回想シーンで描かれてはいるが、当の本人は(当然のことながら)その記憶がないし、そのときの当事者であるくくりや桐葉は、一也に話すつもりが全くないようだ。これは、果たして一也のことを案じてなのだろうか。どうも、くくりも桐葉も、まだ隠していることがありそうである。
さて。そんな偉大な神格であるくくりが、桐葉に喧嘩をふっかけるのが、この2巻の山場である。その戦いはとんでもないパワーゲームであり、基本的に神としての格が上であるくくりの方が圧倒的有利である。その攻撃は、基本的に全て水に由来した技となっている。クロノトリガーでいえば水属性だ。ウォータガである。これは、菊理媛神が『くくり』→『潜り』から、水の神でもあるとされることが元ネタらしい。関係ないかも知れないが、白山比咩神社のふもと、白山市鶴来には菊姫合資会社という酒屋がある。清酒『菊姫』で知られている(はず)。清酒は水と米で作るものであるから、白山の水を用いて造る酒の名前としてはふさわしい。酒が飲めない椎出だが、菊姫なら飲む、頑張って飲む。
さて、そんな戦いの後、くくりの正体が明らかとなる。
力を使い果たして幼女化した桐葉よりもさらに幼い、幼女である。
菊理媛神が幼女という話は聞いたことがないので、これはきっと、作者の趣味であろう。いいぞ、もっとやれ。
幼女の桐葉とくくり、おっぱい星人大歓喜の巫女さん・黒曜、そして一也のことが気になって仕方ない委員長・千里。4人の素晴らしい裸が満喫できるシーンなどを交えつつ、3巻に続く。


ああ、そういえば。菊理媛神は『括る』ことから、糸を紡ぐことに関係する神格であるという話もあるそうだ。帯のつくも神である桐葉と、くくりの因縁……これまでに明らかになっている以上に、ややこしく、深いもののような気がする。次の巻が楽しみだ。幼女もふくめてね!