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「味噌ですわ、味噌ですわ」

その他 掌編

IRC log: #もの書き予備 2009-03-05
おいしそうな味噌ラーメン、を書いてみるという話だったらしいので、書いてみた。

「あたしとんこつー」
「はあ?」
「な、なによお嬢? 初デートにジャージで来た女の子を見るような、その目は?」
「あなた年中ジャージですものね。今日もジャージで来るなんて思いませんでしたわ」
「他の服洗濯してまだ乾いてなかったんだもん」
「他の服もジャージしかないでしょう、あなたは」
「いいじゃない、ジャージでも、とんこつでも」
「あら、だって、そんな、あなた、とんこつだなんて」
「へ? いいじゃない。とんこつ。おいしいわよ。紅ショウガどばーってのせるの」
「そんな。脂臭いですわ、生姜臭いですわ」
「わかってないわねお嬢ー。長い時間煮こんで真っ白になったとんこつスープは、ちょっと脂臭いくらいが一番おいしいのよ」
「ありえませんわ、ありえませんわそんなの」
「なによー、じゃあお嬢はなんにするの?」
「決まっていますわ。味噌ですわ、味噌。これしか有り得ませんわ」
「味噌って、えー? 味噌なのー?」
「ええ。味噌ラーメンは、他のラーメンと違って、出汁が主役ではありませんわ。醤油も、塩も、そしてとんこつも、結局の所出汁が主役。出汁の味ですわ。けれども、味噌は違います。味噌こそは、出汁はあくまで出汁、味噌の引き立て役に徹して、具材と麺の味を膨らませる、最高のフレーバーですのよ」
「いや、でも、味噌じゃん」
「味噌こそは基本、基本ですのよ。それがわからずにとんこつだなんて、あなたはいつになったら大人になれるのかしら」
「お嬢みたいにでっかいおっぱいしてりゃ大人ってわけじゃないやいっ」
「それに味噌には、様々な要素の味が含まれていますわ。具材の味を邪魔せず、麺に練り込まれた鹹水の味を感じさせず、かといって激しい自己主張は決してしませんのよ。口の中で、それぞれの味と香りが、嫌なところは無しに、豊かに広がるのですわ」
「は、はぁ。お嬢が名古屋の人だとは思わなかったわ」
「あら。赤味噌は素晴らしいと思いますけれども、けっしてそれだけにはこだわりませんわよ? 白には白の、糀には糀のよいところがありましてよ」
「そ、そう……うん、わかったわ、じゃあ、お嬢は味噌ラーメンでいいのよね?」
「ええ、麺は大盛り、もやし大盛り、ネギはなしでお願いいたしますわ」


いかん、全然ラーメンの描写にたどり着けない。負け。