表紙絵の双子の太ももに欺されてしまったのは仕方ないことだ──『ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円』


タイトルからして頭おかしい『ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円』です。サバの味噌煮弁当290円→ザンギ弁当295円→うなぎ弁当300円と来たので、次の本は305円であろうと考えられますが、いくら何でも半端すぎます。


さて。指を絡ませ合う双子の太ももが眩しい表紙絵ですが、よく見るとこの双子、絡ませている指に割り箸を挟んでいやがります。
そうです。この双子も『狼』なのです。
『狼』とは己の資金、生活、そして誇りを懸けてカオスと化す極狭領域を狩り場とする者たち*1です。
わかりやすく言うと、半額のお勤め品になった弁当を殴り合いで争うバカどもです。
ベン・トー』シリーズの魅力は、そんなとてつもないバカげたことを、本気でやるところにあります。
つまり。
この太もも双子も、バカだったのです。


表紙絵になるくらいですから、この双子が、今回のメインとなります。双子の狼の通り名は『オルトロス』。タコじゃありません。*2ギリシャ神話に出てくる方です。双頭の犬です。双子だからですね。安易です。
しかし、伝説の獣の名を冠するだけに、この双子、強い。強すぎる。強すぎるせいで、双子はとある傷を抱えています。その傷をどう癒すのか、が今回のセントラルクエスチョンとなります。
ベン・トー』シリーズは、バカばっかりです。しかし、バカばかりだからこそ。真摯に己の道を行こうとするからこそ、ラストシーンには『読んでいてよかった』という歓びがあります。それは、間違いありません。


それはそうと、先輩の出番がほとんどありません。『変態』とのフラグを立てるのもそれはそれで結構なのですが、次回は後光が差すようなストッキング姿で大活躍してくると信じています。ええ、信じていますとも!

*1:本文8頁

*2:FinalFantasy6のやり過ぎです。