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犯罪予備軍少女


SHI-NO黒き魂の少女

ひさびさの富士見ミステリー文庫『なばかり少年探偵団』を切った富士見ミステリーは好きではないのですが、黒髪少女の表紙に見事に釣られて、読んでみました。

倒叙を一部に用いた、猟奇殺人事件(と言えなくもない)に挑む(というか飛び込んでいく)小学5年の少女、志乃を主人公としたミステリー。
ミステリーを構築する『謎』は、比較的シンプルな構造だけれども、それを志乃の立場で本当に解けるのかというと、ちょっと疑問。おそらくは誰が『志乃の立場』であったとしても解くことは出来ず、『志乃だったからこそ』解けたのではないか、と。
つまりは、志乃は「からだは子供! 頭脳は大人!」な名探偵や、なにかというとすぐに自分の祖父の名声を賭けの対象にしてしまう名探偵と比べて、遥かに犯人に近い少女。ある意味では犯人たちを軽く飛び越えて深い闇の中にいる少女。
登場人物たちは志乃のそんな闇を程度の差はあれども感じ取り、『ここではないどこか』を見つめる彼女の瞳に危うさを見る。

そこが、かわいいんですけどね。ああ、志乃ちゃん一人持ち帰っていいですか?(ダメです)